今回は海外で起きているWordPressの訴訟問題について取り上げていきます。Web制作者として出来ることは少ないですが、まずは現状を把握していきましょう。
WordPress訴訟問題とは
今回取り上げるWordPress訴訟問題は、WordPressのCEOであるMatt Mullenweg氏が2024年9月20日のWord Camp US 2024にて発言したことがきっかけとなります。
Matt氏はこの講演においてAdvanced Custom Fields(以下ACF)の機能をWordPressコアへ導入すると発言しました。問題はこの組み込むACFの開発元であるWP Engineの許可なしに突然発表されたものということです。
当然WP Engine側は著作権侵害としてWordPress財団を提訴。
現在は訴訟問題へと発展しています。
Web制作者への影響
上記の件を聞くと、便利な機能がデフォルトで付くなら良いじゃないかと思う方もいるかもしれません。
ただ考えてみてください、自身が一生懸命作成したプラグインが急に許可もなく、公式のものとして丸コピされてリリースされたら誰でも憤慨するのは当然です。
ここに至るまでに双方でどのようなやり取りがあったかは分かりませんし、元々仲は良くないと聞いていましたが、それにしてもやりすぎ感は否めません。
WordPressはエコシステムとして機能しているため、お互いに連携して成長しています。
このようなことがまかり通ってしまうと誰もプラグインを開発・運用をしたがらなくなります。
中長期的に見て、WordPress自体のシェアが下がることにもなるでしょう。
2024年10月18日、現在はWPコアへの導入はされておらず、代わりにACFを自動アップデートすると「secure custom fields」(以下SCF)と呼ばれるものに変更されてしまいます。
これはWP Engineが開発したACFをWordPress側がフォーク(コピーして改変)したプラグインです。
要するに開発や運用会社の違う似たようなプラグインににされてしまいます。
公式が行なっていることとしてはあり得ない事態となっており、界隈で物議をかましています。
WordPress.org公式でのMatt氏の記事は以下リンクから確認することができます。
Web制作者として今後の対応
では、私たちWeb制作者はどのように対応が必要でしょうか。
現時点では自動アップデートを停止して、様子見というのが妥当と言えます。
ACF、SCFのどちらになるとしてもACFの状態にしておいた方が一旦リスクは少ないでしょう。
今後の動向が非常に気になるところです。